令和3年度から続けておりました「地域農業の持続可能性の向上に向けた農業法人の総合的企業価値の評価手法の開発に関する研究」の最終報告を終了いたしました。

委託研究課題
企業価値評価手法を活用した農業法人の経営評価手法の開発
研究総括者
株式会社事業性評価研究所 代表取締役社長 田井 政晴


本研究の成果は以下のとおりです。

1. 事業分析手法の構築
農業法人の事業性を7つの観点から分析するためのチェックシートを作成し、定性評価(69項目)とESG関連項目(17項目)のフレームワークを構築しました。これに基づき、実地調査と財務情報の分析を行い、持続可能性を含むサステナビリティ活動を特定しました。

2. 企業価値評価手法の開発
事業投下資本の分析とフリーキャッシュフローの現在価値による事業価値の評価手法を開発しました。これにより、農業法人の超過収益力を数値化し、企業価値を具体的に評価するための基盤を確立しました。

3. 試行的評価の実施
研究期間中に、10の農業法人に対して企業価値評価を実施し、企業経営としての整理を行いました。これにより、M&Aや事業再生などの実務に応え得る評価手法の妥当性を確認しました。

4. 政策研究への示唆
農業法人の企業価値評価が、今後の農業界における株式移転、M&A、事業承継、投融資などの実務において重要な役割を果たす可能性が示されました。

これらの成果により、農業法人の経営評価をより精密かつ実務的に行うための基盤を築けたと考えます。

連携研究スキームによる研究(委託研究課題)研究成果等最終報告書 連携研究スキームによる研究(委託研究課題)研究成果等最終報告書

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